あまりもの消息・更に

マンガやイラストエッセイを書いている三五千波のイベント出展お知らせブログです

「漫画の手帖」&「フォルテュニオ」

続く余震、交通機関の乱れ、勤務先では輪番停電の可能性もあり、
まだまだ気は抜けませんが、自分も家族も幸い無事でした。

漫画の手帖」(春の増刊号)特丸5号を、都内ミニコミ店「模索舎」「タコシェ」に納品いたしました。
「贋作三つのオレンジへの恋」6ページを寄稿しております。

オペラなどについてのエッセイ漫画です。新国立劇場の「マノン」、三月末の都響「青ひげ公の城」(演奏会形式)に行く予定だったのに、震災で中止になって残念、がこの状況では致し方無しです。

かろうじて上演された東京オペラプロデュースの「フォルテュニオ」、13日に見ました。
前回の「漫画の手帖」納品の時も、ついでにこの中野ZEROホールに来たような…(非実在青少年の集会で〜ロビーでしか対談を見られなかったけど、デモ人員として)
こじんまりして、オペラの見やすいホールだ!

幼少期の私に少女マンガとクラシック音楽の魅力を教えてくださった、池田理代子先生の初演出。
ラファエロの天使や、書き割りの果樹と奥様の寝室(リバーシブル)が女の子ぽいデザイン。
コーラス人員が間奏曲にのせて装置の移動をしたりして、舞台変換もスムーズ。
よくできたミュージカルや宝塚のごとく、全く違和感無く楽しめました。ラブコメディーのオペラと、少女マンガの演出文法が、実はかなり共通している…ということを改めて実感。
(ドジであかぬけない主人公が恋敵にガッカリして〜でも最後にハッピーエンド…なのよ)
衣装もオーソドックスすなわち少女マンガそのもの。

タイトルロールの上原正敏さんが飛び抜けた美声でびっくり。
(お芝居は棒立ち歌唱だったけど…ぼーっとした青年という役だからいいのか…プログラムによると、12日主役キャストの高野二郎さんは、もっと芸人肌テノールだったようなのでそっちも見たかったな…とそうして両キャスト聞き比べで行くようになったら大変)

初めて聴く演目(日本初演)だけど、美メロディー、美アリア満載で魅了される。
アンドレ・メサジェは「ヴェロニック」というオペレッタも代表作で、とあるが、
これ、昭和50年代にテレビで宝塚の舞台を見てて、話の筋はラブコメという以外覚えていないが、
いまだ素晴らしかったという記憶が残ってるくらいだから…余程こういうのが好きなんだ自分。
「ヴェロニック」もいちど見たいな〜。

さすがに地震直後でお客さんの入りは7割くらいだった。
カーテンコールで理代子先生が照れていたのが麗しかったぞ。